防災について楽しく学ぶ
突然、地面が大きく揺(ゆ)れ出す地震(じしん)がいつ、どこで起こるかは、まだ誰も予測できません。地震による被害(ひがい)を小さくするために、私たちにできることは何でしょう? 普段(ふだん)していない行動は、いざというときもできません。日頃から震災(しんさい)に備えておくことが大切です。地震が多い日本では、学校や地域、企業などで、毎年、防災訓練を行なっています。

佐賀県にある海童(かいどう)保育園で行われた防災訓練。地震のあとに火災が発生したという設定で、煙を吸い込まないよう口に手を当てながら安全な場所に避難します。
地震の大きさや、地震が起きたときにどこにいるかによって取るべき行動はちがってきます。揺れが非常に大きい震度6弱では、立っていることが困難(こんなん)になり、固定していない家具の大半が動いて、壁(かべ)のタイルや窓ガラスが破損(はそん)し、落下することがあります。そのため、震度6弱以上の場合には、その場で動かず姿勢を低くして頭を守ります。震度5強の地震では、棚(たな)にある食器類や本で落ちるものが多くなりますが、物につかまれば歩くことが可能です。このような震度5強以下の場合は、身近な安全な場所に逃げこみます。学校など耐震性(たいしんせい)の高い建物の中で近くに机などがあれば、その下に隠れて頭を守ります。耐震性の低い建物なら頭を守りながら、屋外へ避難(ひなん)します。こうした訓練を日本の子どもは小さいころからくり返し体験しているのです。

地震が起きたとき、建物がどのように揺れるかといった防災に関する知識を楽しい実験を通して伝える教室も全国各地で開かれています。