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2022 NO.32

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ニッポンみやげニッポンみやげ

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暮らしを彩る実用の美
竹かご

写真●松下二郎

青い竹かごに光が通り、見るからに涼しげ

そのままで美しいオブジェ風のかごに、布巾を置く

手付きかごに醬油などをセットして食卓へ

ななめに交差させて編んだ網代編み(左)と透かし編みのバッグ

竹は成長が早く、寒さに耐えて緑を保つことから松や梅と並んで縁起物とされ、古来、絵画や工芸品のモチーフに描かれた。いっぽう、割いた竹「ひご」を編んでつくる竹かごは、さまざまな道具となって畑や台所で活躍し、働く日本人のよき助け手となってきた。

現代では、実用目的だけでなく、手づくりのあたたかみやデザイン性が見直され、インテリア雑貨として取り入れる人が増えている。シーンや機能、かたちに応じた使い分けは、アイデア次第。かごを並べて「見せる」収納を演出したり、持ち手をオブジェに見立てて飾ったり。食器をセットして、お盆のように使ってもいい。涼やかな竹かごバッグで夏の街を歩けば、注目度も満点だ。

編み目の模様が多彩で精巧なのも、日本の竹かごの魅力。各地の専門店や雑貨店でお気に入りを見つけたら、使い込んで楽しみたい。