niponica

2025 NO.37

Menu

ニッポンみやげニッポンみやげ

8

伝統が紡ぐ肌触り
泉州タオル

1

柔らかく、よく水を吸うのが泉州タオルの魅力

ガーゼ生地を重ねたタオルは軽くて柔らかく、赤ちゃんの肌にもやさしい

透かし織りの技法で、淡い色合いを表現する

両面のガーゼにパイルが挟み込まれたものは、厚手でも軽くて柔らかい

(1=大阪タオル工業組合,2,4=神藤タオル株式会社,3=小杉善株式会社)

1887年に日本初のタオル生産が始まった大阪府南部の泉州地域。やがて、この地のタオルは「泉州タオル」と呼ばれるようになり、現在では国内シェアの約40%を占める。日常的に使いやすい上質なタオルとして、多くの人に愛用されてきた。

泉州タオルの上質さを生み出すのは、伝統的な後晒しの技法だ。タオル製造は、綿糸に付けられた糊や油分を取り除くために水に晒す工程がある。泉州タオルでは、この晒しの工程を織り上げた後に行う。和泉山脈から流れる澄んだ水を利用していねいに不純物を取り除くことで、綿本来の吸水性を十分に引き出した柔らかなタオルに仕上がるのだ。

近年では、デザインや材質、機能性に工夫を凝らした製品も登場。白い糸の間から色糸の模様がほんのりと透けて見える透かし織りの技法を駆使したり、ガーゼ生地を重ねて軽さと速乾性を実現したりしている。見た目にも美しく、使い心地のよいタオルの数々は、生活に彩りを与えてくれることだろう。

普段づかいにも、贈り物にも喜ばれる泉州タオルの肌触りを、ぜひ手にとって実感してほしい。