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2025 NO.37

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交流する都市、大阪

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水都大阪の風景

古くから経済の中心地として繁栄してきた大阪。その発展を支えたのは、大洋へとつながる交易拠点となった大阪湾と、物資輸送のために市中に張り巡らされた水路である。その姿は往時から様変わりしているが、今も都市の中心部をめぐるように川が流れる独特の地形の中で、水と陸が交じり合う都市風景が形成されている。

大阪湾からの夜景。画面奥の高層ビル群が、大阪市中心部 (写真=PIXTA)

大阪 水の回廊

大阪の中心部は、四方を囲むように川が流れている。
世界的にもめずらしいこの地形は「水の回廊」と呼ばれ、水都大阪のシンボルとなっている。

①堂島川 土佐堀川

北側を流れるのは堂島川と土佐堀川。東西約3㎞に伸びる中之島をはさむように並行に走り、西端で合流する。中之島周辺は古くから商業の中心地で、歴史的建造物とともに経済の中心を担う高層ビル群が建ち並ぶ(写真=水都大阪コンソーシアム)

②木津川

西側を流れる木津川は、土佐堀川から分かれて南へと走り、道頓堀川へ合流する。大阪湾に近く、工場地帯として発展してきたが、近年は商業施設やマンションも建ち並ぶ(写真=水都大阪コンソーシアム)

③東横堀川

東を流れる東横堀川は、約400年前につくられた大阪最古の運河だ。現在は、阪神高速道路の高架下という囲まれた空間を活かし、水上レジャーが楽しめる都市の中の憩いの場所として親しまれている(写真=β本町橋)

④大阪城公園

水の回廊へと注ぐ大川沿いには、大阪城公園がある。中央にそびえる天守閣は、16世紀に築城されたのち、焼失などを経て20世紀に再建されたもの。御座船という船で内堀を巡るクルーズが人気だ(写真=PIXTA)

⑤道頓堀川

南を流れる道頓堀川は、17世紀初頭につくられた運河で、なんばをはじめとした繁華街の中を走る。近年は水質改善や遊歩道の整備が進められたことで、遊覧船に乗りながら、もしくは散策しながら、煌びやかなネオンサインを楽しむ人が増えている(写真=Shutterstock)